分数の割り算はなぜひっくり返して掛けるのか - その 2

はじめに

 なぜ、分数の割り算は、割る方の分数をひっくり返して(=分子と分母を入れ替えて) 掛け算するのでしょうか?

子供に聞かれたときに、きちんと説明するために、 この文書をメモがてら書いてみました。

 そもそも分数同士の割り算とは何か?という素朴なところから出発した 「その1」 とは異なり、 この文書では、分数同士の除算を分数として表現する、という視点でみてみます。

分数同士の除算を分数で考える

 x ÷ y は、分数で書くと x/y と記述できます。 であれば、a/b を c/d で割る場合も、次のように記述できるはずです:

$$ \frac{a}{b} \div \frac{c}{d} = \Large \frac{\ \ \frac{a}{b} \ \ }{ \frac{c}{d} } $$

 ちなみに、分子と分母に分数を書くこの方法は、先生によっては怒られるかもしれません。 私は、「そんなものは無い」と、 確か小学生か中学生の時に怒られた記憶があります (「そんなもの有る」よねぇ…)。

 閑話休題。

 分子と分母に同じ数を掛けても値は変化しないのでした。 であれば、分子分母に d/c を乗ずると、

$$ \Large \frac{\ \ \frac{a}{b} \ \ }{ \frac{c}{d} } = \frac{\ \ \frac{a}{b} \cdot \frac{d}{c} \ \ }{ \frac{c}{d} \cdot \frac{d}{c} } = \frac{\ \ \frac{a}{b} \cdot \frac{d}{c} \ \ }{ 1 } $$

を得ます。

分数 x/1 は x に他ならないので、結局、

$$ \frac{a}{b} \div \frac{c}{d} = \frac{\ \ \frac{a}{b} \ \ }{ \frac{c}{d} } = \frac{\ \ \frac{a}{b} \cdot \frac{d}{c} \ \ }{ 1 } = \frac{a}{b} \cdot \frac{d}{c} $$

となります。

まとめ

 今回は、分数同士の除算を分数で表す方法を起点に、計算をすすめていくと、 結果として分子と分母を入れ替えて掛ける、という公式が得られることを示しました。